以前の投稿では、「患者さんに話してもらうこと」の大切さについて書きました。
治療の説明よりも、まずは患者さんの話をじっくり“聴く”ことが信頼につながる——そんな気づきを共有しました。
この考え方を、今回は「初診対応」という場面に当てはめて掘り下げていきたいと思います。
忙しい時こそ、初診対応の価値を見直す
忙しい診療の合間に、ふと
「また初診か…時間ないのに」と感じてしまったことはありませんか?
正直に言えば、僕にもあります。
限られたアポイントの中で、処置が立て込んでいて、現患も待っていて…。
つい、初診の対応が「流れ作業」になりそうになることもありました。
でも最近、強く感じるんです。
初診こそ、最も大事な時間じゃないか?と。
初診は“最もモチベーションが高い瞬間”
初診で来られる患者さんは、何かしらの不安や希望を持って来院されます。
このときが、患者さんにとっては「治したい」「変えたい」という気持ちが最も高まっている瞬間。
このタイミングをどう活かすかで、その後の関係性が大きく変わると僕は感じています。
現患より、初診を優先すべきときがある
もちろん、今通ってくださっている患者さん(現患)をお待たせするのは心苦しい。
でも、治療がすでに始まっている現患は、ある程度の信頼関係ができている状態です。
一方で、初診の患者さんはまだ何も知らない、ゼロからのスタート。
ここでの第一印象や対話の質が、「この先生に任せよう」と思ってもらえるかどうかの分かれ道になります。
「治療より対話」を選ぶ勇気
忙しいと、つい「まずSCするか」「まず投薬するか」といった“処置優先”の判断をしてしまいがちです。
ですが、初診はあえて治療に進まず、問診と対話にしっかり時間をかけるほうが、結果として良い治療につながると思っています。
ここでの「聞く姿勢」が、患者さんにとっての“信頼できる先生”という印象を作るのです。もちろん自発痛の症状がある方は痛みを取る処置をすることは信頼関係築く上で欠かせないことも念頭においてください。
僕が大切にしている初診対応の3つの軸
最初の3分で安心感を与える
表情、声のトーン、間の取り方。その空気感が患者さんの警戒心を和らげます。
“すぐ治す”より“よく知る”
痛いところをすぐ削るよりも、「なぜそうなったのか?」「どうなりたいのか?」を知ることが大切。
患者さんの価値観を尊重する
「治す」以上に「どう生きたいか」。そこに寄り添う姿勢が、信頼を生みます。
治療はすべて丁寧に。ただ、初診は特に「信頼構築の時間」
もちろん、すべての治療は丁寧であるべきです。
ただ、初診は特に「信頼構築」の入り口として、いつも以上に丁寧な対話と対応が求められる場面だと思います。
僕もまだ半人前ですが、この初診の時間をどれだけ大切にできるかで、自費診療の選択にもつながることを実感しています。
次回予告:
初診で信頼関係を築いたその先にあるのが、「治療の選択」です。
では実際に、虫歯が見つかったとき——削る?削らない?
その判断基準をどう持つべきか。
次回は、「削らない勇気と、削る覚悟——迷ったときの僕なりの判断基準」についてお話しします。
患者さんのために、本当に必要な治療とは何かを一緒に考えてみましょう。
インスタもやっているのでぜひフォローお願いします!
コメント