〜静かに進む「歯周病」の正体と、本当の予防の話〜
「虫歯ないから、大丈夫」って本当?
「歯医者は虫歯ができたら行く場所」
「検診に行ってるし、私は問題ない」
——そんなふうに思っていませんか?
実は、日本人が歯を失う最大の原因は虫歯ではなく“歯周病”。
しかもこの病気、痛みもなく静かに進行し、気づいたときには取り返しがつかないことも珍しくありません。
歯周病って、どんな病気?
歯周病は、歯と歯ぐきの境目に潜む細菌の感染症です。
はじめは歯ぐきの腫れや出血といった軽い炎症(歯肉炎)から始まり、進行すると歯を支える骨をじわじわと溶かしていく「歯周炎」になります。
そして、一度溶けた骨は基本的には元に戻りません。
歯がグラつき始め、やがて自然と抜け落ちてしまう——そんな怖い未来が、音もなく近づいていることもあります。
実は、あなたの「生活習慣」が原因かも?
歯周病は単に「磨き残しがあったから」だけで起こる病気ではありません。
実は、日々の習慣そのものが歯周病を進行させるリスクになっています。
例えばこんな習慣、思い当たりませんか?
寝る前、疲れて適当に歯を磨いてしまう
甘い飲み物や間食が多い
朝食を抜きがちで、唾液が少ない
タバコを吸っている
ストレスで免疫力が落ちている
歯ぎしりやくいしばりをしている
これらはすべて、歯周病を悪化させる要因になります。
だからこそ、「ちゃんと磨いてるはずなのに歯周病になった」という人も少なくないのです。
歯医者は“クリーニングを受ける場所”ではありません
歯医者=歯をきれいにしてもらう場所。
そう思っている方は多いですが、それだけではありません。
僕たち歯科医師・歯科衛生士は、あなた自身が気づいていないリスクや磨けていない部分を見つけて、どうすれば守れるかを一緒に考えるためにいます。
詰め物の段差
歯並びによる磨きにくさ
噛み合わせのズレ
加齢や体調による唾液の変化
こうした“日々の変化”を定期的に確認し、必要に応じて清掃や指導を行うことで、歯周病の進行を防ぐことができます。
一度進行すると「治す」のは難しい
ここが虫歯と大きく違うところ。
虫歯は削って詰めればある程度“治せる”病気ですが、歯周病は失われた骨や組織を戻すことがほぼできません。
だからこそ、歯周病は進行を「止める」ことが治療になります。
そしてそのためには、歯医者に定期的に通うだけでなく、ご自身の生活習慣と日々のケアの見直しが不可欠なんです。
じゃあ、何から始めればいいの?
まずは歯科検診へ行きましょう
自分ではわからない磨き残し、歯石、歯ぐきの状態をチェック。
正しいブラッシングを身につける
力加減・当て方・補助用具(フロスや歯間ブラシ)を見直す。
生活習慣を見直す
間食、睡眠、喫煙、ストレス管理など、日々の習慣がカギです。
定期的にメンテナンスを続ける
一度のクリーニングで終わりではなく、継続が予防のカギです。
まとめ:「自分の歯を守る力」は、今日から育てられる
歯周病は静かに、でも確実に歯を奪っていく病気です。
ただし早期に気づき、正しくケアすれば、進行を止めることはできる。
そのためには、生活習慣の改善+歯科医院との連携が欠かせません。
歯を守る主役は、あなた自身です。
僕たちは、そのパートナーとして全力でサポートしていきます。
次回のブログでは——
「治療アポが入ってるだけで、なんだか気が重い…」
そんな若手歯科医師ならではの“見えないプレッシャー”について、僕自身の経験も交えて綴ります。
「怖い」と感じるのは、サボりたいからじゃない。
“ちゃんとやらなきゃ”と思うからこそ、気が重くなるんです。
共感してもらえる方が、きっといるはず。
ぜひ次回も読んでいただけたら嬉しいです。
インスタもやっているのでぜひフォローお願いします!
コメント